・AI画像処理の重ね掛けは良くない
最近のAIによる画像処理の技術はすごく、
本来の解像度を超えた画像を出力することができます。
単に解像度を上げるわけではなく、
ノイズを取ったり、ブレをなくしたりすることまで可能です。
この画像に対して、Adobeの強化をかけてみました。
左:元 右:強化
ランダムノイズが少なくなり、さらに
解像感も上がっているように見えます。
次に元のブレ画像に対して、
TopazLabのSharpenAIというのをかけてみました。
左:元 右:ShapenAI
驚くほどブレが軽減され、ノイズもなくなり解像感も出ている。
じゃあ、両方を適用したらものすごく解像感が出てよい画質になるのではないか!?
試してみました。
右下の二つのAIを重ね掛けしたものは、
ノイズが逆に増えてしまっています。
しかも、独特のパターンの異様なノイズ。
AIはセンサーから出る周波数や振幅のノイズや手振れのパターンを学習して
その学習結果から、本来の模様なのかノイズなのかを分別して処理しています。
ノイズやブレ成分と判断した部分はシャープに、それ以外はノイズとみなし潰す
というような感じ。
しかし、一回AIでシャープにした画像だと
センサーから出てくるはずのない特殊なパターンを作り出して解像感を上げています。
こういった特殊な解像感は、学習データに含まれていないので、
ノイズなのか解像した被写体なのか判断できず、間違った処理をかけてしまって
逆にノイズが多くなったり解像感が失われたりしてしまう。
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質問ですが、重ね掛けの際にAI→フォトショかフォトショ→AIかで結果が変わるような気がします。
その点はいかがでしょうか。
投稿: | 2022年8月30日 (火) 12時37分
コメントありがとうございます。
重ね掛けの順番で結果は変わります。
例えばAIの学習でフォトショップのノイズ処理やシャープネスなどのフィルターの性質を学習していれば
フォトショップ→AIでも精度高く処理できると思います。
ただ、そういった学習をしていない場合はノイズなのか、被写体の模様なのか判断できなくなり
異様な模様を生成してしまう可能性があります。
投稿: 管理人 | 2022年8月31日 (水) 12時00分
上で質問させていただいたものです。
AIに興味があり調べている中でこちらにたどり着き、質問させていただきました。
お返事ありがとうございました。
投稿: | 2022年9月 5日 (月) 13時10分