・現在でもつかわれる蛇腹のカメラ
昭和の時代、写真館や集合写真など解像度が必要となるシーンでは
蛇腹(じゃばら)のカメラが良くつかわれていました。
蛇腹カメラは主にフィルムの高解像度(≒大判などの大きいフィルム)で使います。
大きいフィルムだと被写界深度が浅くなるので
その分ティルトして全面にピントを合わせるようにして撮影するのに
蛇腹が必要になったりします。
※蛇腹カメラはティルト・シフト撮影できるのが一番の特徴。
最近のデジカメは6000万画素とか高解像度になったので
蛇腹カメラなど必要ないのか、というとそうでもありません。
物撮りなどで絞って被写界深度を稼いでもボケちゃうシーンや、
壁画など超高解像データが必要な資料のアーカイブ化では蛇腹が必要になることがあります。
デジタルでの蛇腹カメラはフィルム部分にフェーズワンのデジタルバックをつけて使います。
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ただ、最近はフルサイズ以上の撮像素子サイズのミラーレスが出てきたので
これらを用いられることも多くあります。
フランジバックの長い大判レンズをつけて、
後ろ側にソニーのαや富士フイルムの中判ミラーレスをつける。
ティルトシフトレンズよりも可動範囲が大きい。
また、ティルトシフトレンズだと値段が高かったり、焦点距離が限られるのに対して
蛇腹用であれば選択肢が沢山あります。
蛇腹カメラを使うとタイリングが必要な超高解像画像も比較的楽に撮影できます。
大きな絵をアーカイブするときの例です。
広角で一回撮影でもいいのですが、
それだとアーカイブとしては解像度がたりません。
分割して撮影する場合は、絵に対して平行になるように
きちんとレールを敷き、カメラの向きなども気を付けなければいけません。
この図だと9分割で撮影しています。
仕組みも大掛かりになるし大変です。
一方、蛇腹と大判レンズを使うとかなりお手軽に撮影ができます。
大判レンズはイメージサークルが広いのでここに撮影被写体が全部写っていれば
撮像素子を動かす(蛇腹の後ろ側だけ動かす)ことで高解像度のタイリング撮影ができます。
ただ、最近はこういったデジタルで使える蛇腹のカメラを作るメーカがなくなってきたのが問題。
有名なのはホースマンくらいかも。
また、大判のレンズを作るメーカがなくなってきているのも問題です。
ペンタックス645用のレンズは数も多いし、フランジバックが長いのでおすすめ。
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